今年5月20日以降、「壁紙施工用でん粉系接着剤」の生産・出荷が、原料の一部である「硝酸」の供給不安により滞る事態が発生、壁紙職人の間で不安が広がり、一部で買い占めが行われるなど令和版「のり騒動」ともいえる状態となっている。そうした中、壁紙施工用接着剤メーカー最大手のヤヨイ化学販売㈱(二口真社長)は、従来どおりの供給体制を確保しつつ、問題となっている硝酸を使用しない、でん粉系接着剤「ピュアラ」と「ダイレクトPRO」への代替え使用を訴えている。
「壁紙施工用でん粉系接着剤」において硝酸は中和剤の役割を果たしている。苛性ソーダで製造される接着剤は、当初アルカリ性の性質を帯びるが、硝酸によってそれを中和させるわけだ。
この硝酸は、これまで国内主要メーカー2社から供給されてきたが、4月下旬にそのうちの1社の製造設備が故障、復旧に遅れが生じている。さらに残りの1社についても製造設備の定期修理中のため、日本国内で硝酸の供給が極端に滞っているのだ。故障している製造設備の復旧は7月上旬が見込まれているが、硝酸は自動車や半導体などさまざまな産業に使用される重要な原料のため、すぐにでん粉糊用に供給されるのかどうか見通しがつかない状況という。
ヤヨイ化学販売では、急遽海外から硝酸を調達し、従来の生産量分の硝酸を確保済だが、「のり騒動」のようなパニック状態の中で大量発注や買い占めが発生していることから、平常時以上の注文が殺到するなど供給が切迫した状態に陥っている。
こうした事態を回避するため、代替えの「壁紙施工用でん粉系接着剤」として「ピュアラ」と「ダイレクトPRO」の使用を訴えているわけだ。
「ピュアラ」と「ダイレクトPRO」は、ともに中和剤として硝酸を使わないタイプのでん粉系接着剤である。「ピュアラ」は一般的な希釈タイプで性能も価格も同社定番品の「ルーアマイルド」「アクアマイルド」などと同レベルである。
一方の「ダイレクトPRO」は、そのまま使えるノン希釈タイプで、以前本紙でも紹介したが、専用剥離剤「下地がスッキリ」と組み合わせて使用することで壁紙の裏打ち紙がきれいに剥がせる機能も有している。
同社広報担当は、「硝酸は従来の数量を確保し安定供給ができる体制を整えていますが、今のような状況が続けば、非常に厳しくなります。ぜひ落ち着いた対応をお願いするとともに、『ピュアラ』や『ダイレクトPRO』への代替え使用もご検討いただければと思います」とメッセージを発信している。
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ヤヨイ化学販売(株)は、コンパクト型糊付機械の上位機種「LEXTARシリーズ」の新型として「LEXTAR EC5(レクスター・イーシーファイブ」を新発売した。
新型「LEXTAR」では、大型カラー液晶に拡大モードを搭載したほか、スリッターに検尺機構を搭載しより正確な採寸や端末検知を実現、また上部フレームの開閉がスムーズなソフトクローズ機構を搭載、さらに新テンション機構で少ないアクションで壁紙が装着できるようになるなど使いやすさを追求した新機構が搭載された。
重量は25.5キロ(本体18.8キロ、脚部6.7キロ)、サイズは全幅1180ミリ、奥行き400ミリ。カタログ価格は35万2000円。
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トーソー(株)は、新しい和紙調スクリーン「彩葉(あやは)」をはじめとしたプリーツスクリーンの新製品を、6月6日(月)に新発売する。
今回新発売された新スクリーンは、「彩葉」と「スズカ」。「彩葉」は、光が差し込んだときに広がる濃淡のある柄が特徴の和紙調スクリーンで、昔ながらの格式ある和室からリビングに隣接する畳コーナーまで畳との相性に着目し、定番のグリーン系に加え人気のグレー色まで幅広くそろえたこだわりのカラーラインナップとなっている。
一方の「スズカ」は生地の裏面に光沢のある糸を使用し、太陽光を反射させることで外から見えにくい「ミラー効果」をもったシアースクリーン。遮熱性能もあわせもち、室内の温度上昇を抑えながら日の光を採り込むことができる。
またハニカムスクリーン「シェラ」には、トレンドカラーのグレー色を追加、厳選されたカラーラインナップでより選びやすくなった。
この他、Webツールを充実、新たに透過度シミュレーションを導入し、夜間や室外から室内を見たときの全スクリーンの透け感が確認できるようになった。カラーシミュレーションについても、人気の和紙調シリーズではプリーツスクリーンのカラーと畳の色を組み合わせてイメージできるようにした。画像はプランボードに活用できる。
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リリカラ(株)は、「心地よく暮らそう」をテーマに、居心地の良さ、癒し、豊かさを表現する壁紙見本帳「ライト 2022-2025」を5月17日(火)に発行した。
「ライト 2022-2025」は、使いやすいベーシックな無地調から空間に色どりを与えるカラバリエーション、人気のマテリアル商品、トレンドを反映したパターン商品、多様な機能性商品など住宅・非住宅問わず幅広いニーズに応える壁紙見本帳である。
その中でもメイン企画となるのが、オリジナルコレクション「+1」。心地の良い住まい「good-life」を実現する「らしさ」を「+1」するもので、「+BOTANICAL」「+nostalgc」「+SCENERY」「+Essence」「+nuance」という5つのキーワードをもとに発想したデザイン壁紙を展開する。
また好評の商品検索時短ツール「COLOR&TEXTURE」をボリュームアップ、アクセントイメージを「色」と「柄商品」でビジュアル化した。さらに欲しい柄が見つけやすい「パターン・インデックス」をWeb上で用意、見本帳の各ページに掲載されたパターン商品を一気に確認できる。
ブランド展開としては、「kioi」はjapandi(ジャパンディ)をテーマにした新柄を収録した他、人気の北欧テイスト「ロッタ・キュールホルン」、英国の貴重な壁紙アーカイブを基にした「English Anthology(イングリッシュ・アンソロジー)」を新たに加えて、3ブランドを展開する。
この他、厚みがあり下地の凹凸が目立ちにくい「リフォームお奨め」商品を236点収録、不燃商品で厚みがありきれいに仕上がる「シアガリキレイ」も収録する。
収録点数は979点(ジョイナー・アタッチメント12点)。
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(株)サンゲツは、こだわりあるデザインと高い機能性を兼ね備えた壁紙見本帳「2022-2024 リザーブ 1000」を、5月26日(木)に発刊する。
新「リザーブ 1000」の第1の注目点は、新登場した環境配慮型シリーズ「MEGUReWALL(メグリウォール)」である。これは、車両内装に使われるクッション材の端材などを再利用したリサイクル樹脂を原材料に使用した壁紙シリーズで、環境保全に役立つ商品としてエコマーク認定を取得した。また稲を脱穀した際に出る「もみ殻」を再利用した壁紙も収録する。両商品は裏打ち紙にも再生紙を使用しており環境負荷の低減に貢献する。
また照明デザイナー・岡安泉氏とのコラボレーション壁紙「Play with Lighting」(13点)も登場、光や照明との組み合わせによりさまざまな空間演出ができる壁紙のほか、 リラックス空間をつくる照明演出と壁紙のプランニング例を紹介する。
さらに国立科学博物館とのコラボレーション壁紙「DAY AND NIGHT SCIENCE MUSEUM」を収録する。国立科学博物館の貴重な標本・資料を素材に、研究者監修のもとにデザインしたシリーズで、日本近海に生息するクジラやイルカを1/50スケールで表現する他、同館に展示されているヨーロッパバイソンやアフリカスイギュウなどの陸上動物のはく製をもとにデザインした「BEASTS」、明治時代から収集されたおし葉標本をもとにデザインした「PLANTS」、日本に存在する多様な岩石をモチーフにした「ROCKS」など実際に博物館にいるかのような知的好奇心をくすぐる新たなウォールアートの世界を提案する。
機能性壁紙としては「ハードストレッチ」と「抗ウイルス」壁紙を拡充、「抗ウイルス」については6点から28点に拡充した他、全点でSIAA(抗菌製品技術協議会)抗ウイルス加工認証を取得している。
この他、コーディネート写真集「インテリアスタイルブック」を付属、ベーシックから、北欧・アウトドアスタイルなどの最新トレンドまで幅広く押さえた19のインテリアスタイルや10パターンの水まわりの施工例写真を合計86カット収録した。
収録点数は865点。
サンゲツのホームページ